温泉の分類法(3)は、浸透圧による温泉分類です。
温泉が浸透圧によって分類されると知ってましたか?
浸透圧、つまり、温泉がどれだけ身体の細胞に浸みるかという度合いにより、温泉は次のように分類されます。
低張泉 | 浸透圧 8g/kg 未満 凝固点 -0.55℃以上 |
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等張泉 | 浸透圧 8g/kg~10g/kg 凝固点 -0.58℃~-0.55℃ |
高張泉 | 浸透圧 10g/kg以上 凝固点 -0.58℃未満 |
人体の細胞液と等しい浸透圧をもつ泉水を等張泉,それ以下のものを低張泉,それ以上のものを高張泉として分類します。
凝固点とは、冷却した際に凝固する温度のこと。
通常、水の凝固点は 0℃ですが、温泉はいろいろな物質をその中に溶かし込んでいるので、純粋な水よりも凝固点が低いのです。
高張泉は当然、身体に浸みる力が強いので、湯に入ると、「おーー、効くきく!」と叫びたくなりますね。
逆に、低張泉は、おだやかに身体に染みてきますので、柔らかい感触の湯となります。
温泉宿で、その温泉が、低張泉か等張泉か高張泉かと尋ねて見たらいかがでしょうか。
ううーん、この客はただ者ではない、と思われるかも知れませんね。
ところで、人間の体液の浸透圧は、およそ7.5気圧と言われます。
これは1リットルの水に塩8.8gを溶かした食塩水の浸透圧に相当します。
体液と同等の浸透圧を持つ食塩水を、生理食塩水と呼ぶのですが、等張泉は、この生理食塩水に近い浸透圧を持つ温泉ということになります。
等張泉を中心にして、それより濃度の高いものを高張泉と呼び、低いものを低張泉と、人間が勝手に分類しているのです。
高張泉に使って「おおーー、効くキク-!」と叫びたいお人は、四国香川県の仏生山温泉天平の湯を尋ねるとよいでしょう。
?仏生山温泉天平の湯 高張性弱アルカリ性泉。泉質はナトリウムー炭酸水素塩・塩化物泉