温泉に生息する動物、植物、微生物

高温の温泉中に、どれほどの生物が生息していると考えたことがありますか。

温泉には、鉱物質夜ミネラルなど様々な成分が含まれており、その酸化物成分を湯の花として撮りだして活用します。
そういういわば「どろどろ」のイメージすらある自然の温泉の中によもや生物が生息しているとは思わないかも知れません、その多様な物質を含む温泉に首までつかり、温泉によっては、それを呑むことすらあるのですから。

しかし、実際には、自然の温泉の中には、動物から植物、最近などの微生物が数多く棲んでいるのです。
上の写真のお猿さんはその数にはいっていませんけど・・・(笑)。

永年に亘る研究で、温泉内に生息する生物の数は、動物がおよそ300種、植物や微生物は700種を越えるといわれています。

温泉に棲む動物

実際に温泉にどういう動物が棲んでいるのかというと、
・アメーバの仲間である虚足虫(きょそくちゅう)、
・ゾウリムシに代表される繊毛虫(せんもうちゅう)、
・ミドリムシに代表される鞭毛虫(べんもうちゅう)、
などの原生動物を始め、
・節足動物(昆虫など)、
・軟体動物(貝など)、
・脊椎動物(両生類など)、
などの数多くの種類の生物が温泉内に生息しているのです。

温泉を楽しんでいるのは、人間だけではなく、お猿さんだけでもなく、案外と多くの生物たちが人間と一緒に温泉を楽しんでいるようです。

温泉に棲む昆虫類

昆虫類は、原生動物に次いで数多く温泉内に棲んでいます。
オンセンアブ(ミズアブ)、ユスリカ(蚊の一種)、ハエの仲間などがよくみられます。

温泉に棲む昆虫(おんせんあぶ、ミズアブ)
オンセンアブ(ミズアブ):温泉にも生息できる

これらの昆虫類は、卵から幼虫までを温泉の中で過ごし、羽化していきます。

昆虫の中には、ゲンゴロウ、ガムシ、マルハナノミなどの甲虫類(こうちゅうるい)も多く見られ、中には一生を温泉に浸かりっぱなしで過ごすという、温泉マニアにはうらやましく感じられるものもいます、
40度~50度以上の温泉に適応している昆虫類もいますので、人間温泉マニアも脱帽です。

温泉に棲む貝類

温泉内に生息する貝類は、多くが巻き貝です、モノアライガイ、ヒラマキミズマイマイ等の有肺類(ゆうはいるい)が大半を占めます。

温泉に棲むモノアライガイ
モノアライガイ:温度の高い温泉でも肺呼吸で酸素を補える。

有肺類(ゆうはいるい)は、名前の通り、貝類でありながら一種の肺をもつもので、空気中の酸素を取り込むことが出来ます。
温泉が高温になるほど、溶けている酸素量が少なくなりますので、普通の貝類がもっているエラだけでは整体維持に必要な酸素量が取り込めないのです。
この有肺類は、進化の過程で、温度の高い温泉でも生息できるように、エラにプラスして肺をも身につけるようになったのでしょう。
そこまでして温泉に浸かりたいというのは、見上げた心がけではありませんか。
どこぞの温泉でモノアライガイなどを見かけたならば、天晴れであると褒めてやってください。

これらの貝類は、45度以上の温泉にも棲んでいます。

高温で有名な草津温泉の泉温は、50度から91度。
当然、そのままでは入浴できませんので、湯もみして湯長の合図で湯につかり、湯長の合図で湯から出るのですが、人間以上にモノアライガイの方が、高温の湯には強いでしょう。
これには、子連れオオカミ・拝一刀(おがみ・いっとう)もビックリするにちがいありません。
(→ 草津温泉に「子連れ狼」現れる(草津名物・湯もみ) )

もう少し温度の低い温泉の中には、カワニナ、ゴマツボなどの貝類や、tノサマガエル、ツチガエル、アカガエルなどのオタマジャクシもみられます。

また温度の低い天然温泉の中には、コイやウグイ、ドジョウ、メダカなどの魚類が棲むこともあります。
コイの養殖に、わざわざ温泉水をひいて利用すると、成長が早い上に皮膚病などにかかりにくいというメリットもあるとか。

こうしてみると、温泉の恵みに預かっているのは、決して人間だけではなく、お猿さんだけでもなく、小動物から微生物、植物まで、多くの生物が温泉を楽しんでいるといえるでしょう。

温泉万歳!