有馬温泉の歴史(3) 行基による再興

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有馬温泉・天神泉源
天神泉源(有馬温泉)


有馬温泉の歴史(3)として、行基について述べなければなりません。

舒明天皇・孝徳天皇の度重なる行幸により世間に名をしられるようになった有馬温泉ですが、その後徐々に衰退に向かっていきました。
これを再興し有馬温泉の基礎を開いたのが名僧・行基(ぎょうき)です。

行基(ぎょうき)は聖武天皇(701~756)の信任を受けて奈良の大仏建立にも力を尽くし、また各地で池を築き橋を架けるなどの土木工事も多くなした名僧でありました。

行基が有馬温泉に関わるようになった経緯について、次のようなエピソードが伝わっています。

行基が伊丹(今の兵庫県伊丹市)の昆陽(こや)に大池(昆陽池)を掘っていたときのこと、一人の病人に出会い、有馬の山中に温泉があるのでそこへ連れていってくれと懇願されました。

その懇願を入れて有馬に出かけ、いろいろとその病人の望みをかなえてやると、ついにその病人は金色荘厳なみ仏の姿となり、紫雲に乗って東方へ飛び去っていったのです。

行基は感嘆のあまり、如法経を書写して泉底に埋め、等身大の薬師如来像を刻み、お堂を建てて、そこに薬師如来像を納めました。

有馬温泉は日本三大薬泉の一つ


有馬温泉の神話伝承として、薬祖神である大已貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)の二柱の神が有馬の湯を発見されたと伝えられています。
仏教僧・行基には、その徳に感じて薬師如来がお出ましになり、世の中の人々のために、有馬温泉を活用せよと行基に教えられたのでしょう。

まことに、有馬の湯が、薬効高い薬の湯であるからこそ、薬師如来がお出ましになり、古代には大已貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)の二柱の神がお出ましになったのでしょう。

事実、有馬温泉は、日本三大薬泉の一つにあげられています。
日本三大薬泉とは、次の三つです。

 ●有馬温泉(兵庫県)
 ●草津温泉(群馬県)
 ●松乃山温泉(新潟県)

その他のランキング、例えば、日本三名泉、日本三古泉にも、有馬温泉が入っています。有馬温泉はまことに、日本を代表する温泉の一つといってよい名泉であります。

行基は、薬師如来の教えに従い、有馬にお堂を立て、世の人々に有馬の湯の薬徳を広めました。
その後およそ3百数十年の間、有馬温泉は相当な賑わいを見せたと伝えられています。